東日本大震災11年によせて
14.7mの新しい堤防と乗り越し道路ができ、新しい田老の街が「完成」する。
前の田老総合事務所は津波の伝承施設になる計画らしい。
以前よりも安全な場所になったことを喜ぶべきなのだと思う。
これから田老や宮古を訪れる人が津波のことをリアルに感じ、それが将来の防災に役立つなら嬉しく思う。
ただ、少なくとも3月11日だけはゆっくりと過去を振り返り、失ったものに思いを馳せる時間にしたい。
震災以来「3月11日が終れば春が来る」と自分に言い聞かせながら冬の時間を過ごすようになった。
思い返せば日々旅を起業するときも「「一寸先は光」と私は信じる」と大勢の方々の前でスピーチをした。
春がくれば陽光に包まれる。
コロナが終れば世の中が明るくなる。
あの国への侵略が終れば世界はよくなる。
と感じてしまうけど、今日この日を生きることを願っても叶わなかった多くの人がいたということをもう一度噛みしめたい。
「一寸先の光を信じるこの今」も大切に生きなければ、と思う。
どうか、亡くなられた方々の魂が安らかでありますように。
(株)日々旅 代表取締役
加藤洋一郎